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HOSEI Orange Community
2019.11.08
インタビュー

卒業生インタビューVol. 2 荒井俊樹さん

――まず自己紹介をお願いします。

荒井 2012年3月に人間環境学部人間環境学科を卒業した後、法政大学に就職し、職員をしています。現在は総長室付教学企画室という部署で、教学事項に関わる新たなプログラムの設置や、「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」の推進に向けた取り組みなどを担当しています。

――「SDGs」への取り組みについて、具体的に聞かせてください。

荒井 ご存じのように、「SDGs」は2015年9月の国連サミットで採択された、2016年から2030年までの国際目標で、持続可能な世界を開発するための17のゴール及び169のターゲットが掲げられています。

法政大学では、2018年12月に田中優子総長がSDGsへの取り組みに関するステイトメントを公表し、大学全体でSDGs達成に向けた取り組みを加速させる方針を打ち出すとともに、SDGsに対して法政大学ならではの貢献をプラスするという意味を込めた、「法政大学SDGs+(プラス)プログラム」を展開しています。

具体的には、「SDGs履修証明プログラム」や「SDGsをテーマとした科目(SDGs科目群)」展開のほか、11月下旬には「HOSEI SDGs WEEK」と銘打って、サークルやゼミ、団体等の活動を紹介するポスターセッションなどを行うイベントを開催する予定です。また、企業や地方自治体とのSDGsに特化した連携協定の締結など、多様な取り組みを推進しています。

――学生時代に頑張ったこと、思い出に残っていることについて聞かせてください。

荒井 何といっても体育会フェンシング部での活動ですね。それしか頑張ってなかったといっても過言ではないくらいです(笑)。

とりわけ印象に残っているのは、大学3年生の秋の関東学生選手権大会(カンカレ)の団体戦ですね。私と同期の1人と一学年下の後輩の3人で出場し、僅差で優勝したのですが、なぜか、後輩が号泣しはじめたんです。嬉し涙ではありませんでした。

「先輩がもっと頑張ってくれれば、もっと楽に優勝できたはずなのに……」

そう、ぽろぽろと悔し涙を流しながら訴えてきたんですね。

正直なところ、私は団体戦があまり好きではありませんでした。個人戦は点を取られようが、負けようが、周りに迷惑をかけるわけではありませんが、団体戦となるとそうはいきません。もともと緊張しいなところがあって、試合になると普段通りの実力をなかなか発揮できず、足を引っ張ってしまうこともあったので「団体戦はイヤだなぁ」という気持ちがどこかにあったんですね。後輩からの一言に恥ずかしさを感じると同時に、すごく申し訳ない気持ちになりました。「このままではダメだ!」。一念発起して、練習方法を一から変えることにしたんです。

――後輩の涙の訴えがきっかけとなって、団体戦への意識が変わったわけですね。団体戦にどのように向き合い、チーム力を高めていったのでしょうか。

荒井 団体戦といっても3人が同時で戦うわけではありません。基本は1対1の勝負ですから、それまでは個人練習をメインにしていました。しかし、後輩の一言をきっかけに、練習の段階からチーム作りに力を入れ、日頃から団体戦を意識した練習方法に切り替えたんです。

その成果はすぐに表れました。大学3年生の全日本大学対抗選手権大会(インカレ)で、いつも僅差の勝負を繰り広げていたライバル・中央大学に、大差をつけて圧勝し、優勝することができたのです。これを機に、私は団体戦が大好きになり、個人戦よりも団体戦に力を入れるようになりました。結果、大学4年生の時は、春の全日本学生王座決定戦、秋の関東学生選手権大会(カンカレ)、全日本大学対抗選手権大会(インカレ)を圧勝で制することができました。今振り返ってみても、後輩の一言が私のフェンシング人生の一大転機となったのは間違いないと思います。

――大学職員としての今後の目標について聞かせてください。

荒井 少子高齢・18歳人口減少社会の到来とともに、大学を取り巻く環境はますます厳しくなっています。我が法政大学がそのなかを生き抜き、発展を続けていくためには、次の二つの課題を乗り越えなくてはならないと思っています。

一つは、研究力を高め、優秀な学生を輩出することです。例えば、近年、SDGsに関する教育に力を入れる高校が増えてきたこともあり、SDGsへの取り組みにどれだけ力を入れているかが、受験生が大学を選ぶ際の一つの指標になりつつあるんですね。優秀な学生を数多く輩出できるようにするためにも、先ほど申し上げた「法政大学SDGs+(プラス)プログラム」にも力を入れて推進し、より多くの受験生に選んでもらえる大学にしていきたいと思っています。

――第二の課題については如何でしょうか。

荒井 校友会の活性化を通して、大学のブランド力を強化することです。法政大学の卒業生は47万人にのぼります。これを強みとして生かさない手はありません。例えば、世代や職業などの壁を超えて、多くの卒業生が活発に交流できるような“場”をつくり、ビジネスチャンスの創出やプライベートの充実など、さまざまなメリットを得られるようにする。校友会を「法政大学を卒業すれば、こんなにいいことがあるんだ」と思ってもらえるような、卒業生はもとより、在学生、受験生にとっても魅力ある組織にするための支援をしていきたいと思っています。