OPEN
HOSEI Orange Community
2022.05.31
インタビュー

卒業生インタビューVol. 11 一武田和磨さん

――初めに簡単に自己紹介をお願いします。

武田 29歳、今1歳の娘がいるパパ、武田和磨と申します。社会学部メディア社会学科、2015年卒です。よろしくお願いします。

――武田さんは現在、コーチングのお仕事をされていますが、大学卒業後は不動産の営業をやってらっしゃったそうですね。まずは不動産業界に就職した経緯を伺いたいです。

武田 不動産業界を志望した理由は二つあって、一つは「人」で選ぶということ。もう一つは「大きなありがとう」をもらいたいということでした。

「人」で選ぶということについてわかりやすく言うと、OB訪問をするなかで、同業界の他企業の方が「野村が一番人がいい」と言っていたので「野村いいじゃん」と思ったんです。実際に野村の人事の方にお会いしたときも、いい人たちだなと魅力を感じました。

二つ目については、高価なもの、人生で一度しかない買い物に携われたら、「大きなありがとう」をもらえるかなと考えました。それってまさに不動産かなと思いました! そのような経緯があって、大学卒業後は野村不動産アーバンネットに入りました。

――プロフィールを拝見すると、営業で顧客満足度1位を3回取ったとあったのですが、ご自身では何が1位を取った秘訣だとお考えですか?

武田 お客様と友達のような関係になることを徹底していました。具体的に何をやったかというと、二つです。ものすごく当たり前のことなんですけど、誕生日を祝うこととお会いした方に手書きでお手紙を書くことです。

この二つをやってると僕のことを好きになってくれて友達みたいになってくるので、多少僕がミスをしたとしても「いいよ」と言ってくれる環境も出来上がるんです。僕はその方が仕事をしやすいと考えたので、徹底した結果、満足度が上がったと思います。

――不動産営業の仕事に詳しくないのですが、他の人はそういったことをあまりしないものなんでしょうか。

武田 そういうのって、どうしてもすぐに結果に結びつくことではないし、手書きの手紙なんて面倒臭いじゃないですか。だから、うちの会社でやっていたのは一人いるかいないかってぐらいでした。

この顧客満足度1位というのは社内の賞で、成約後のお客様のアンケートをもとに、月ごとに役員が優秀な人を選ぶというものでした。僕は入社前からその賞を取りたいと思っていました。イメージでは30歳ぐらいで取れたらいいなと思っていたところ、運良く25歳くらいのときに取れたんですよね(最終的に3回受賞)。その時はすごく喜びましたが、同時に次の目標がなくなってしまいました。それで、いろいろあって独立しました。

――差し支えなければ、その「いろいろあって独立した」ことについてもお聞きしたいです。

武田 コーチングと出会ったのがきっかけでした。お客様には友達のような感覚で、「顧客満足度の賞は殿堂入りしたし、僕はこの先どうしていいか分からないんですよね」といった悩みを相談したんです。そんな風に僕が下向いていたときのお客様が、ちょうどコーチングをしている方でした。その方に「コーチング受けなさい」と言われまして。その方が紹介してくださったコーチのコーチングを受けて、僕も同じようにコーチングをやってみたいと考えるようになりました。

「将来どうなりたいの?」ってよく耳にするフレーズですが、実際に将来について真剣に考えることはほぼなくて。当時の僕は40、50歳ぐらいで独立できたらいいな、とはなんとなく考えていたのですが。すると、コーチの方から「独立、いいね。じゃあ逆になんで今独立できないと思う?」と言われました。そう問われて「あれ? 何でできないんだろう」と思って、それからはずっとこの質問攻めです。「どうやったらできると思う?」というマイナスではなくプラスに持っていく質問。そうやって考えていくうちに、SNSを開設したりとか、今の営業のスキルを使ってコーチングをしたりすれば集客もできるかなと考えるようになって。

会社を辞める不安もありましたが、最悪バイトをすれば何とかなるかなと考えました。そんな風に徐々に徐々に「できるかも」と自信がついてきたので、会社を辞めました。僕は今も2週間に1回、その方のコーチングを受けていますが、「どうやったらできるのだろうか」ということは普通の人よりも時間を使って考えています。

おかげさまで、去年1年間のセッション数は519本でした。おそらく去年、日本で一番多くコーチングをやっていたと思います。

――コーチングの他にも、メンバー230人の活コミュニティ「HAYANE」やサウナ事業「TOTONOI」などの活動をしていらっしゃる武田さんですが、そのような活動を始めたきっかけはなんでしょうか?

武田 これは僕からしたら遊びの要素が強いんです。朝活コミュニティを始めたのは、友達が欲しかったから。サウナを始めたのは、大好きなサウナを楽しめるからです。

僕は2020年の10月に独立をしたので、現在はコーチングを始めて約1年半なんですよね。最初はコーチング1本で頑張っていて、仕事が軌道に乗りました。けれど、1人で頑張っていたら、友達のような繋がりがないことに気付いて。だから、友達作りのために朝活コミュニティを始めました。

サウナに関してですが、実は僕、お酒を一切飲まなくて夜9時に寝るって決めているんですよ。お酒の誘いとかは全て断っていました。でも、これでは人とのつながりを深められないと思ったんです。ただ、「飲み会は夜9時に寝れないから、日中にサウナやっちゃえ!」と思い、気軽且つ遊び感覚で始めました。

とはいえ、やり過ぎると仕事のようになって嫌いになってしまうので、たとえばサウナは月に2回しか開催しないと決めています。

――コーチングでもそういうコミュニティとかでも、人との繋がりが大切になってくると思うんですが、人脈はどのように広げていますか?

武田 すごく泥臭いですが、当初はInstagramやTwitterで毎日それぞれ20人、知らない人に「僕のコーチング受けませんか? 僕のコミュニティ入りませんか?」といったメッセージを送っていました。正直、めっちゃ断られます。でも、前職が不動産営業だったので、断られることには慣れていましたね。

――コーチングの仕事をされている中で印象的だった出来事などはありますか?

武田 守秘義務があるので詳細は言えませんが、面白いのはTwitterやInstagramでフォロワー0人だった人が、僕のコーチングを受けた結果、自分のやりたい道に進み、会社を辞めて経営者になり、ちょっとした有名人になるというような人がポツポツ現れてきたことです。

一歩踏み出すかどうか悩んでいる人の背中を押す、本当にお客様と0から一緒に歩んでいく仕事なので。誰かの人生を変えるお手伝いができるのが、この仕事の一番醍醐味だと思います。

――学生時代についてもお聞きしたいのですが、武田さんはどんな学生でしたか?

武田 学生時代は、サークルを頑張っていました。バラバラの方向を向いている人たちを一つにまとめるという経験って実は社会に出てもそんなにできない経験だと思うんですよね。僕はバスケサークルのサークル長だったので、サークル長としてみんなを楽しませていました。

そのときも僕は、一人一人に連絡をするようにしていました。サークルのようなゆるいコミュニティをまとめるのが、結構得意なんだと思います。何か呼びかけるとき、全体で呼びかけても人が集まらないと思ったので、一人一人に呼びかける、個別メッセージを送ることを誰よりも頑張っていました。

――そういうまめに連絡を取ってきた経験が、不動産営業や今のコーチングにも繋がっていますよね。

武田 間違いなく繋がっていると思います。多くの人とLINEすることがあまり苦じゃなかったり、スピード感を持って返信できたりするのは、強みかなと思ってます。でも、学生時代の僕は起業したいとは全く考えていませんでした。どちらかというと、ただただ今を楽しんでいたような学生でしたね。

――今、こうやって武田さんとお話をしていても、今を楽しんでいるオーラは伝わってきます。

武田 前職と比べて、今の方が楽しいです。僕って本当にハッピー野郎で、24時間楽しいんですよね。朝起きた時から楽しい。でもそれは、会社に勤めていた2年前と比べて能力が上がったとかではなく、ただ一歩進んだらうまくいっただけだと僕は思っています。

――そのなかでも何をしている時間が一番楽しいですか。

武田 これは綺麗事に思えるかもしれませんが、家族と一緒にいる時間です。僕は、仕事は頑張っているけど家族をおざなりしている人を多く目にしてきました。もちろん、そういう生き方が悪いとは全く思わないですよ。ただ僕は違いますし、さんや娘にとって稼ぎがとても必要かといったら、意外とそうでもないと考えています。だから僕は、お金はそんなにないけれど、昼の12時以降は働かない生活をしています実際、お昼12時以降の仕事は全てお断りしています。娘の機嫌が良いときに遊んでいる時間が一番楽しいです。

あとは、散歩をしている時間です。朝と仕事が終わった12時以降、それぞれ30分ほど散歩をしています。散歩のときは携帯も持って行きません。「緊急じゃないけど大切なこと」ってあるじゃないですか。散歩という余裕を持った時間を作って、考えを整理することで、判断を間違えず「よし、今は家族を大切にしよう」と思えるんです。そうやって散歩中にいろいろなことを考えていると、「利益は0でもいいからコミュニティ限定のコワーキングスペースをやってみたいな」といった面白いアイデアが浮かぶこともあるので、楽しいです。

――今後の目標やキャリアビジョンなどがあれば教えてください。

武田 これは敢えて言いますが、仕事に関してはないですね。あるとしたら家族です。まずはシンプルに家族を幸せにしたい。

なぜ仕事の目標を持たないかというと、状況は変わるからです。たとえば約8か月前、僕がコミュニティを作って1週間くらいの頃はメンバーが0人でした。それが今は月額980円で230人超のメンバーが集まっています。正直、想像もしていなかった世界に到達しているので、目標を立てたとて状況は変わるだろうと考えています。もちろん1か月ごとの短期的な目標はありますが、将来的にどうなっていたいかというのはあまり考えていないです。

とにかく、今は家族を幸せにするということを大切にしています 。僕にとっての優先順位は1.家族2.自分3.仕事なので、周りの目は気にせず、その通り生きています。

――最後に、在学生にメッセージをお願いします。

武田 宣伝じゃないですけど、何か一つ外部にコミュニティを持った方がいいと思っています。

学生の皆さんが今現在、大学でいい友人たちと出会えているのは間違いありませんが、もっと外の世界もあります。僕も新しい環境に身を置いたことで、背中を押されてどんなことでも挑戦しようと思えるようになったので。サークル、ゼミ、バイト以外で、何か一つコミュニティに属してみることをおすすめしたいです。自分で行動を起こすことって簡単なようで難しいですよね。だからこそ「環境」に頼っていきましょう。

記事の中で紹介している朝活コミュニティ「HAYANE」は、法政大学のOBOGも多いので、良い繋がりができると思います。よければのぞいてみてください。

朝活コミュニティ「HAYANE」はこちら