卒業生インタビュー記事Vol. 1 川部遥子さん
――まず簡単なプロフィールをお願いします。
川部 2016年3月に法学部国際政治学科を卒業した後、同年10月から2年間、青年海外協力隊の一員として、フィリピンでコミュニティ開発に従事しました。18年10月に帰国、半年間の就職活動を経て、2019年4月、青果物の輸入商社に就職し、現在はキウイフルーツを担当しています。
――世界を意識しながら、さまざまなチャレンジを行なっていらっしゃいますね。大学生活でいちばん印象に残っている思い出について聞かせてください。
一川部 楽しい思い出がたくさんありすぎて迷うところですが、一つ挙げるとすれば、1年生のときの海外語学研修「法政オックスフォードプログラム(HOP)海外研修」ですね。「HOP」は法学部国際政治学科の必修科目で、夏休み期間中に約10日間、英国の名門オックスフォード大学の学生寮に泊まり込んで、英語研修プログラムを受講します。「HOP」を通じて学科の友人達と一気に仲良くなることができたという意味でも、英語が全然できなかったことがすごく悔しくて、勉強に励むようになったという意味でも、私の大学生活のまさに “出発点”でした。
それから、3年生のときに1年間休学して、留学したことも印象深い思い出ですね。イギリスに半年間、滞在した後、国際協力NGOのインターンシップに参加して、約3カ月間、インドの田舎町にある出版社で働いたんです。その出版社はローカルマガジンをつくっていて、私のように国際協力の現場で働いてみたい人、英語の勉強がしたい人、それから記者志望の人など、さまざまな若者が集まっていました。
――それはまた大胆な。なぜ、インドだったのでしょう。
川部 ゼミの先輩に影響を受けたということもありますが、2年生のとき、国際開発協力のゼミの研修旅行で約1カ月間、インドに滞在したことがあったんです。現地の人々に話を聞いて、国際協力の現場について学ぶためにインドに行ったわけですが、語学力が足りず、ほとんど何もつかめませんでした。私にとってはそれが大きな後悔で、語学をもっと勉強して、もう一度インドに戻ろうと決めていたんです。
――海外にいらっしゃるなかで、法政大学の卒業生でよかったなと思った瞬間はありますか。また、卒業生のネットワークに期待するものがあるとすれば、何でしょうか。
川部 青年海外協力隊でフィリピンに派遣されていたときのことです。フィリピンに校友会の支部はありませんでしたが、法政大学の卒業生というだけで新しいつながりが次々と生まれ、現地の語学学校に留学中の学生から、30代後半の現地駐在の会社員に至るまで、さまざまな人たちと知り合うことができました。会ったことのない卒業生ともFacebookなどで気軽に連絡をとって、「今度マニラに行ったときに会いましょう」というようなこともたくさんありました。海外では校友のネットワークがものすごく頼りになります。より多くの国や地域に校友会の支部のような組織ができて、卒業生が気軽にアクセスして情報交換をしたり、交流の幅を広げたりできるようになればいいなと思います。
――今後の目標や、将来の夢について聞かせてください。
川部 大学に入ったときから、ライフワークとして、一生をかけて国際協力に取り組んでいきたいと心に決めていました。その思いは今も変わりません。でも実は、私の最終的な夢は農家の現場に立って仕事をすることです。海外で農業に取り組むべきか、さまざまな課題を抱える日本の農業の発展に寄与するべきか、具体的な方向性はまだまだ検討中ですが、自らの専門性にもっともっと磨きをかけて、農業を通じて社会に貢献していきたいと思っています。